初心者でもできる【エクセル】VLOOKUPの使い方講座

エクセル(Excel)のVLOOKUPって色々便利と聞くけど、イマイチ何ができるかわからない。
できることはわかるけど、どうやればいいかわからない。
そんな悩みを解決します。

VLOOKUPは理解すればとても簡単です。
そしてVLOOKUPを使いこなせるようになると表計算処理が飛躍的に向上できます。

VLOOKUPとは

VLOOKUP(ヴイルックアップと読みます)は、Microsoft Excel(エクセル)の関数の一つです。
AppleのNumbersでも同様のことができますが、ここではExcelの画像で解説します。

VLOOKUPの意味

VLOOKUPが何かを知るためにまずは関数名のそのものの意味を見てみましょう。

VLOOKUPの「V」は「Vertical」の頭文字で、「垂直」という意味です。
VLOOKUPの「LOOKUP」は「調べる」という意味です。
つまり、VLOOKUPは「垂直に調べる」ための関数なのです。

VLOOKUPでできること

垂直に調べると言われてもイマイチよく分からないですよね。
もう少しわかりやすく説明します。

VLOOKUPは「検索/行列」カテゴリに属します。
つまり、何かを検索するということです。

関数の説明文を見てみます。
「指定された範囲の1列目で特定の値を検索し、指定した列と同じ行にある値を返します。テーブルは昇順で並べ替えておく必要があります。」
余計にわかりづらくなりましたか?

簡単に言うと「一覧表から知りたい情報を取ってくる」関数です。

例えば、「果物価格の一覧表」があれば
あなたは「みかんの値段は何?」と言う検索(VLOOKUP)をすることで、
みかんが100円と言う情報を得ることができます。

VLOOKUPの使用方法

具体的に画像を使って説明します。
この説明を読むと、「垂直に調べる」という意味も、「指定された範囲の1列目で・・・」という意味も理解できるでしょう。

VLOOKUPを理解するための定義

例題

ここでは、都道府県の「県庁所在地一覧」と都道府県の「人口の多い県ランニング」があった場合を例とし、この2つの表を1つにする結合するやり方で解説します。

VLOOKUP準備1

表の定義と検索キーの定義

表の定義

「県庁所在地一覧」に人口欄を追加するので、
「県庁所在地一覧」を「検索結果を表示する表」と定義します。

一方、人口情報は「人口の多い県ランキング」から取得するので、
「人口の多い県ランキング」を「検索される表」と定義します。
VLOOKUP準備2

検索キーの定義

検索するためには、検索するためのキーになる情報が必要です。
今回は「都道府県名」が検索キーとなります。
VLOOKUP準備3

VLOOKUPの準備(並び替え)

VLOOKUPを使って情報を検索する時、「検索される表」は「検索キー」順に昇順(小さいものから大きいものの順番)で並んでいる必要があります。
VLOOKUPでは、上から順番に「検索キー」を探していき、最初に見つけた「検索キー」の情報を出力します。
1年生、2年生、4年生、3年生と並んでいると、4年生を見つけた時点で、もうこの先には4年生より小さい3年生の情報はないと判断されてしてしまうことがあるのです。
昇順に調べるため、「垂直に調べる」ということなのです。

VLOOKUPソート1

VLOOKUPソート2

VLOOKUPソート3

VLOOKUP関数の記述

VLOOKUP関数は、検索結果を表示したいセルで記述します。
例の場合、北海道の人口セル(B4セル)を選択します。

表示したいセルにカーソルを合わせ、以下のルールで記述します。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)

検索値

検索値には検索キーのセルを指定します。
北海道が検索キーですから、”A4″です

範囲

範囲には、「検索される表」を指定します。
その時、検索キーが選択範囲の一番左(1列目)になるようにします。
「検索される表」の都道府県名(検索キー)と人口の範囲を指定するので、”G4:H50″です。

この時1「$」で表を固定する癖をつけておきましょう。
よって範囲は、”$G$4:$H$50″とします。

列番号

次に、「検索される表」で指定した範囲の中で、表示したい情報がある列番号を指定します。
検索キーが1列目、人口が2列目です。
必要な情報は人口なので、”2″を指定します。

検索方法

最後に検索方法を指定します。
完全一致か近似一致とするのかを選択します。
今回は47都道府県が情報として揃っているので完全一致の”false”を指定します。

VLOOKUP手順1

VLOOKUP関数

出来上がった関数はこのようになります

=VLOOKUP(A4,$G$4:$H$50,2,false)

VLOOKUPの仕上げ

VLOOKUP検索が1項目終わったら、後は全都道府県分の人口欄に関数をコピーして完成です。
検索される表は固定しているのでそのままコピー&ペーストで大丈夫です
VLOOKUP手順2

チェック

全都道府県分の人口が数値で入っているか確認します。
また念の為、少なくとも1項目くらいは値が合っているか確認して、問題なければ完成です。
VLOOKUP手順3
エクセル関数はちょっとしたことで範囲ミスや指定ミスが起きるので、確認作業は大事です。

値貼り付け

「県庁所在地一覧」の人口欄はVLOOKUP関数で記述されているので「検索される表」を消してしまうと、せっかく検索した人口の数値がわからなくなってしまいます。
もし、「検索される表」を消すという場合は、人口欄をコピーし、値貼り付けしておきましょう。
VLOOKUP手順4

VLOOKUPの注意事項

ここまでで、VLOOKUPの基本的な使い方についての解説は終わりです。
ここでは、よくある事象について補足します。

検索結果が#N/Aになる

よくある事象として、検索結果が#N/Aになる場合があります。
#N/Aは「Not Applicable」のことで、「該当なし」を意味します。
検索キーが検索される表に存在しなかった場合に表示されます。
VLOOKUPその他1

あれ?検索される表にあるはずなのに#N/Aとなる場合、以下を疑ってみてください。

  • 検索キーの文字列が間違っている
  • 検索キーが数値と文字列等異なる属性になっている
  • 範囲を固定する($で括る)の忘れていて、範囲がずれている
  • 検索される表が昇順になっていない

近似一致とは

近似一致とは検索方法を”true”にした場合の検索です。
検索される表に検索キーが存在する場合は、一致した検索キーの値を取得するので、falseと同じです。
一方で検索される表に検索キーが存在しない場合でも、値を表示したい場合に近似一致を使用します。
ただし、この場合も検索される表は検索キー順に昇順に並んでいる必要があります。

近似一致では一致する検索キーが存在しない場合、「検索値以下の最大値」が出力されます。
例えばこんな場合に使用します。
1年 1歳
2年 2歳
3年 3歳
という検索される表が合った場合、
検索方法”false”(完全一致)を指定し、2年2ヶ月で検索すると結果は「#N/A」となります。
一方、検索方法”true”(近似一致)を指定し、2年2ヶ月で検索すると、結果は「2歳」となります。

注意すべき点は、上記のような例でない場合、嘘の結果となってしまう可能性がある点です。
今回の都道府県別の人口を検索する例の場合、
検索方法を”true”としてしまうと、万が一茨城県がヒットしない場合、直前の愛媛県の人口を表示してしまいます。
VLOOKUPその他2

まとめ

エクセルの超お役立ち関数VLOOKUPについて解説しました。
ポイントは以下の3点です。

  1. 検索される表は昇順にする
  2. 範囲を固定する
  3. 検索結果は自分の目で検証する

VLOOKUPは他の関数と組み合わせるとさらに便利になります。
色々試してみてVLOOKUPを自分のものにしてみてください。
きっと表計算の活用幅が広がりますよ。

それではまた。