情報処理技術者ITサービスマネージャ試験の勉強法講座

毎年、春(4月)に実施される情報処理推進機構(IPA)情報処理技術者試験の内、ITサービスマネージャ試験に合格するために私が実践した勉強法をご紹介します。
<2021年1月更新>
2020年度秋季試験より秋季と春季の実施試験が入れ替えになったので春・秋を更新しました。

ITサービスマネージャ試験について

ITサービスマネージャ試験は、情報処理技術者試験の内、高度試験に位置付けられ、毎年春(4月)のみの実施となっています。
ITサービスマネージャ試験で求めれらているレベルは、IPAのホームページに「受験要領・シラバス」として詳しく掲載されているので一度目を通すようにしてください。
(シラバスの版数により参照先が変わるかもしれないのでリンクにはしていません)

午後Ⅱは論述式試験です。

ITサービスマネージャ試験受験の心得

ITサービスマネージャ試験を受けるにあたって誤解して欲しくないのは、ITサービスマネージャ分野の業務に携わっている経験年数はあまり関係ないということです。
確かに業務経験があることで、有利になることもあります。
ただし、世の中一般向けに作られた試験と実務ではギャップも多く、「そんなの実務じゃ通用しないよ」的な問題も結構あるようです。
業務経験があることで、逆に落とし穴にハマってしまったということも起こり得ます。
なので、業務経験年数についてはあまり意識する必要はありません。

あくまで求められているレベルの知識があることを証明することで合格となります。

私が受験した時のレベル

ITサービスマネージャ試験の勉強法はその分野に携わっている業務年数、知識量により変わる場合もありますが、試験と実務にはギャップがあります。
よってこの記事では、私が受験した時のレベルと合わせて、誰でもフラットに対応できる方法をお伝えします。
ご自身のお仕事経験や知識量によって参考にできる部分とそうでない部分は取捨選択をお願いします。

私の業務経験と勉強期間

私がITサービスマネージャ試験を受験し、合格した時の業務経験および勉強期間は以下の通りです。

  • 合格年:2010年
  • システムエンジニア歴:5年
  • 分野に携わっている年数:5年
  • 分野に関する知識:システム開発と同時に商用システムの保守に従事
  • 資格取得に向けた勉強期間:約7ヶ月

受験時点の取得済み資格

受験時点で取得済みの情報処理技術者試験は次の通りです。

  1. 2005年:基本情報技術者試験(FE)
  2. 2009年:応報情報技術者試験(AP)

ITサービスマネージャ試験が初めて受験した高度試験です。
2009年の春に応報情報技術者試験に合格して、そのまま2009年の秋に受験しました。(当時は秋季の試験でした)
午前I免除で、午前Ⅱからの受験でした。

試験の途中から会場に行くと言うのが初めてだったので、どのくらいのタイミングに会場に着けばいいのか迷った挙句、のんびり朝ごはんを食べていたら午前Ⅱに遅刻してしまうと言う波乱からのスタートでした。
結果は、午後Ⅱの判定がB(判定Aで合格)であえなく撃沈しました。

この時は論文対策を全くしておらず、試験で初めて論文を書きました。
その時はただひたすら自分の好きに書いていました。
採点者のことを何も考えずに。。。
その後色々調べて別記事でも書いた通りの論述試験のコツを習得し、次の年で合格することができました。

論述試験のコツはこちらをご参照ください。

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情報処理技術者論述試験

資格取得に向けた勉強期間の長さは2年分の長さです。

ITサービスマネージャ試験の勉強法

私がITサービスマネージャ試験を受験し、合格した時の勉強法について次の順で紹介します。

  1. 使用した教材
  2. 勉強スケジュール
  3. 勉強のコツ

ポイント1:使用した教材

私がITサービスマネージャ試験合格のために使用した教材は、・・・・、正直昔過ぎて忘れました。
なので、本屋で色々な教材を改めて確認したところ、この教材が効率的に勉強できると思いました。

この後でもお伝えするITILの体系にあった問題演習があり、効率的に知識を身につけることができます。

ポイント2:勉強スケジュール

私がITサービスマネージャ試験受験を決めてから試験当日までの勉強スケジュールや、やる気スイッチを押すタイミングについて解説します。
基本的な勉強スケジュールはこちらの記事をご参照ください。

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情報処理技術者高度試験勉強スケジュール

基本的な勉強スケジュールをベースとして、ITサービスマネージャ試験の特徴に合わせた補足を説明します。

ITILファンデーションを取得する時間がある場合

もし時間に余裕があり、資金面で許されるのであれば、受験の3ヶ月前くらいまでにITILファンデーションの勉強をしておくことをお勧めします。
ITILとは「Information Technology Infrastructure Library」のことで、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集めた書籍の事です。
ITILファンデーションとはITILの基礎知識を習得している人が認定される資格です。
ファンデーション→インターメディエイト→エキスパート→マスターと続く階級の初級がファンデーションです。
ITILの体系を理解しておく事で、ITサービスマネージャ試験を受ける前提知識は完璧です。

ITILファンデーションを取得する時間がない場合

ITILファンデーションを取得する時間がない場合でかつ、システム保守等に携わった事がない場合は、受験の4ヶ月前くらいから教材のカテゴリ毎の理解を進めましょう。
サービスレベル管理、キャパシティ管理、可用性管理、ITサービス継続性管理、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、サプライヤ管理、情報セキュリティ管理等です。

カテゴリ毎の内容を理解し、内容が問われた時にどのカテゴリの話をしているのかすぐさま出てくるようになりましょう。

ITIL体系を理解したら

ITIL体系を試験3月前、遅くとも2ヶ月前くらいまでに理解できたら、あとは午後問題で実務的な問題に慣れるのみです。
午前対策と同時に進めましょう。
詳細は勉強のコツとして紹介します。

ポイント3:勉強のコツ

ITサービスマネージャ試験の勉強のコツは前述の通りITIL体系を理解するのが一番の近道です。
ITIL体系を理解した上で、午後I対策として次のことは押さえておきましょう。

バックアップ方式とバックアップからの復旧

バックアップからの復旧方法の3つのタイプ(ホットスタンバイ、ウォームスタンバイ、コールドスタンバイ)の特徴と、バックアップ方式、バックアップからの復旧にかかる時間は必須で押さえましょう。

システム停止時にどこまでロールバックするのか?といった問題や、
フルバックアップと差分バックアップから復旧にかかる時間の問題です。

保守タイムテーブルを作れるようになる

システムを何名体制で何時間交代、どういった休みの取り方をするか等の条件のもと、システム保守のタイムテーブルを作る問題に対応できるようにしましょう。

じっくり考えれば誰にでも解ける問題なのですが、問題文から初めて聞くシステムのポイントを読み取り、短い時間で回答するのは意外に大変です。
何度か解いて解き方を身につけておきましょう。

以上に挙げた午後I対策のコツは、問題に対し答えが1つに決まってしまう、部分点が狙えない問題です。
他の区分では、ポイントを押さえていることが伝われば部分点がもらえたり、完全一致の問題でも答えが問題文の中に隠れていたりする場合が多いのですが、上記で紹介したパターンは問題文から読み取って計算しないと答えにたどり着けません。

ここを取れるかどうかが合否を左右するといっても過言ではありません。

まとめ

ITサービスマネージャ試験合格に向けた勉強法を紹介しました。

  1. 使用した教材
  2. 勉強スケジュール
  3. 勉強のコツ

あとは試験までの残り期間にあわせた勉強をするのみです。
この記事を読んでくれた方がITサービスマネージャ試験で勉強の成果を発揮できることを願っています。

その他の試験区分についてはこちらをご参照ください。

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