情報処理技術者データベーススペシャリスト試験の勉強法講座

毎年、秋(10月)に実施される情報処理推進機構(IPA)情報処理技術者試験の内、データベーススペシャリスト試験に合格するために私が実践した勉強法をご紹介します。
<2021年1月更新>
2020年度秋季試験より秋季と春季の実施試験が入れ替えになったので春・秋を更新しました。

データベーススペシャリスト試験について

データベーススペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の内、高度試験に位置付けられ、毎年秋(10月)のみの実施となっています。
データベーススペシャリスト試験で求めれらているレベルは、IPAのホームページに「受験要領・シラバス」として詳しく掲載されているので一度目を通すようにしてください。
(シラバスの版数により参照先が変わるかもしれないのでリンクにはしていません)

午後Ⅱは記述式試験です。

データベーススペシャリスト試験受験の心得

データベーススペシャリスト試験を受けるにあたって誤解して欲しくないのは、データベース分野の業務に携わっている経験年数はあまり関係ないということです。

確かに業務経験があることで、有利になることもあります。
ただし、世の中一般向けに作られた試験と実務ではギャップも多く、「そんなの実務じゃ通用しないよ」的な問題も結構あるようです。
業務経験があることで、逆に落とし穴にハマってしまったということも起こり得ます。

なので、業務経験年数についてはあまり意識する必要はありません。
あくまで求められているレベルの知識があることを証明することで合格となります。

私が受験した時のレベル

データベーススペシャリスト試験の勉強法はその分野に携わっている業務年数、知識量により変わる場合もありますが、試験と実務にはギャップがあります。
よってこの記事では、私が受験した時のレベルと合わせて、誰でもフラットに対応できる方法をお伝えします。
ご自身のお仕事経験や知識量によって参考にできる部分とそうでない部分は取捨選択をお願いします。

私の業務経験と勉強期間

私がデータベーススペシャリスト試験を受験し、合格した時の業務経験および勉強期間は以下の通りです。

  • 合格年:2018年
  • システムエンジニア歴:12年
  • 分野に携わっている年数:1年
  • 分野に関する知識:SQLを使ってデータの検索ができるくらい。DB設計経験はなし。
  • 資格取得に向けた勉強期間:約4ヶ月

受験時点の取得済み資格

受験時点で取得済みの情報処理技術者試験は次の通りです。

  1. 2005年:基本情報技術者試験(FE)
  2. 2009年:応報情報技術者試験(AP)
  3. 2010年:ITサービスマネージャ試験(SM)
  4. 2011年:プロジェクトマネージャ試験(PM)
  5. 2012年:ITストラテジスト試験(ST)
  6. 2013年:システム監査技術者試験(AU)
  7. 2017年:システムアーキテクト試験(SA)

データベーススペシャリスト試験の勉強法

私がデータベーススペシャリスト試験を受験し、合格した時の勉強法について次の順で紹介します。

  1. 使用した教材
  2. 勉強スケジュール
  3. 勉強のコツ

ポイント1:使用した教材

私がデータベーススペシャリスト試験合格のために使用した教材はこれです。

※実際は受験年の最新版を購入しました

この教材のいいところは、過去問に対する解説がとても詳しいところです。
過去問の出題傾向分析も豊富に掲載されており、午後問題で設問を選択する際の作戦を練ることができます。

また、特典として解答用紙をダウンロードしたり、著者の解説動画を見ることができます。(特典は変更になる可能性があります)

解説動画は授業を受ける感覚で勉強することができます。

意外に重要なのが解答用紙のダウンロードです。
データベーススペシャリスト試験に関しては、解答用紙は非常に重要です。
IPAのホームページからは答案はあっても、解答用紙はダウンロードできないのでこれは見逃せない特典です。
解答用紙の重要性については「ポイント3:勉強のコツ」で詳しく解説します。

ポイント2:勉強スケジュール

私がデータベーススペシャリスト試験受験を決めてから試験当日までの勉強スケジュールや、やる気スイッチを押すタイミングについて解説します。
基本的な勉強スケジュールはこちらの記事をご参照ください。

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情報処理技術者高度試験勉強スケジュール
基本的な勉強スケジュールをベースとして、データベーススペシャリスト試験の特徴に合わせた補足を説明します。

午後問題への着手時期

基本的な勉強スケジュールでは午後問題への着手時期は1ヶ月前くらいと書いています。
ここでやる気スイッチを押しましょう。

ただし、データベーススペシャリスト試験に初めてチャレンジする場合はできればもう少し早く着手した方がいいです。
なぜなら、データベーススペシャリスト試験は作図が多く、最初の内は「どう描けばいいのかな?」と考えてしまうので、1問解くために余計な時間がかかるからです。

データベーススペシャリスト試験を過去に受験したことがある場合、1日の勉強時間をそれなりに確保できる場合、業務で普段作図している場合は、基本的な勉強スケジュール通り1ヶ月前でも十分だと思います。

試験前日

私は試験前日に教材の特典である著者の解説動画を見ました。
ここまで勉強してきたので、講師が言っていることは理解できますし、理解できることが自信につながります。
試験前日に見るなら、初めて見る問題よりも、実際に自分が解いてみた問題の解説があれば見てみることをおすすめします。
試験中に悩んだ時に映像で思い出せるというのも動画のいいところです。

ポイント3:勉強のコツ

データベーススペシャリスト試験の勉強のコツはとにかく解答用紙を使うことです。
むしろ解答用紙を使わずに勉強は無理だと思います。

データベーススペシャリスト試験では作図が多く、解答用紙がないと本番に近い形の練習ができません。
設問の選択により作図を回避することもできますが、作図系の設問はある程度パターンが決まっているので、とにかく作図問題を効率的に解けるようになることが合格への近道だと私は思っています。

作図問題をおすすめする理由

私が作図問題をおすすめする理由は、作図問題は解答用紙にヒントが隠されていることが多いためです。
例えば、こんな感じです。
作図問題にはある程度パターンがあると言いました。
パターンに合わせて自分が書いた図を見た時、そこに不自然な空欄があった場合、絶対に何か足りません。

作図問題には基本的に余計な空欄はできないと思った方がいいです。
解答用紙には、図の一部が既に描かれている場合が多いので、元々描かれている図の大きさと同じくらいの大きさで作図していくと、解答欄はほぼ図や線で埋まります。
付け足しできそうな箇所は、あっても1箇所くらいで、2箇所くらい追加できそうだと思ったら不足を疑ってください。

採点者の意図を考える

作図問題にはある程度パターンがあるというのは、採点者のことを考えると理解できると思います。
採点者は添削の際、作業を効率化するために正解であればだいたい誰が描いても同じような図になることを想定して問題を作成しています。
受験者全員に自由すぎる図を描かれてしまうと、合格発表までに採点し切れないからです。
おそらく、図の一部が既に解答用紙に描かれているのも、似た構成の図になるよう誘導しているのだと私は思っています。

このように実際に解答用紙に書いてみる作業は、パターンを覚えるという意味でも、解答後のチェックをするという意味でもとても効果的です。
データベーススペシャリスト試験では、解答用紙を使うことが勉強のコツです。

まとめ

データベーススペシャリスト試験合格に向けた勉強法を紹介しました。

  1. 使用した教材
  2. 勉強スケジュール
  3. 勉強のコツ

あとは試験までの残り期間にあわせた勉強をするのみです。
この記事を読んでくれた方がデータベーススペシャリスト試験で勉強の成果を発揮できることを願っています。

その他の試験区分についてはこちらをご参照ください。

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