初心者でも大丈夫!情報処理技術者高度試験の効率的な勉強スケジュール講座

毎年、春と秋(4月、10月)に実施される情報処理推進機構(IPA)情報処理技術者試験の内、高度試験に合格するために私が実践している効率的な勉強スケジュールをご紹介します。

情報処理技術者高度試験について

情報処理技術者高度試験は2019年時点で以下の8区分の試験のことを指します。
<2021年1月更新>
2020年度秋季試験より秋季と春季の実施試験が入れ替えになったので春・秋を更新しました。

  • 春のみ:ITサービスマネージャ試験(SM)※1
  • 秋のみ:プロジェクトマネージャ試験(PM)※1
  • 春のみ:ITストラテジスト試験(ST)※1
  • 秋のみ:システム監査技術者試験(AU)※1
  • 春のみ:システムアーキテクト試験(SA)※1
  • 秋のみ:データベーススペシャリスト試験(DB)※2
  • 春のみ:ネットワークスペシャリスト試験(NW)※2
  • 秋のみ:エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)※2

なお、情報処理安全確保支援士試験(SC)※2についても高度試験に含んで示される場合があります。
本記事では情報処理安全確保支援士試験(SC)も含んだ解説をしています。

試験はそれぞれの区分で午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱと4つの試験があり、すべて合格水準を突破することで合格となります。
午前Ⅰのみ一定の条件をクリアすることで免除制度があります。
午前Ⅰ、午前Ⅱは選択式で、午後Ⅰは記述式、午後Ⅱは上記※1が論述式、※2が記述式の試験です。

私は2019年3月時点で全8区分のうち6区分の高度試験に合格しており、その間ほぼ同じスケジュールで勉強をしてきました。

私がシステムエンジニアとして経験できた分野は、システムアーキテクトとプロジェクトマネージャくらいで、その他の分野は基本情報技術者試験、応用情報技術者試験を受験するために勉強したレベルの知識だと思ってください。

そんな私が実践する勉強スケジュールで学習すれば、高度試験の分野で実務経験がなくとも試験に勝負することができるようになります。

情報処理技術者高度試験の勉強スケジュール

情報処理技術者高度試験の勉強スケジュールでチェックポイントとなるのは以下のタイミングです。

  1. 受験申し込みまで
  2. 受験申し込み
  3. 試験1ヶ月前
  4. 受験票が届いてから
  5. 試験前日から当日

それぞれのタイミングで実施することについて解説します。
なお、同一区分を2回目、3回目のチャレンジする場合であってもこのスケジュールで勉強することで効果はあると思っています。

チェックポイント1:受験申し込みまで

受験を決めたら、まず教材を購入します。
各試験区分専用の教材と、持っていなければ選択式用の教材をそれぞれ購入します。

各試験区分専用の教材については、受験する試験区分の全体を網羅できていれば何でもいいです。
選択式の午前Ⅰ、午前Ⅱ対策はポケットスタディがおすすめです。

申し込み前に教材を購入する理由

「え?申し込んでもないのにもう教材を買うの?」と思われた方もいるかもしれません。
私はやる気のある内に受験のための投資をし、逃げ道をなくすようにしています。

申し込みは試験の約3ヶ月前〜2ヶ月前に行われます。
この時期は結構微妙なタイミングで、春期試験の場合年明けすぐに、秋期試験の場合夏休み期間中に申し込みが始まるので、やる気が出にくいタイミングなのです。
なので、私は申し込みを決めた時点(年内または夏休み前)で教材を購入するようにしています。

また、申し込みは意外に忘れがちなので、教材が見える位置にあることで思い出しやすいというメリットもあります。

教材を購入したら

教材を購入したら、やる気のある内に試験区分専用の教材を一通り読みます。
今の段階では内容を理解できなくても構いません。
まずは、どんなことを学ぶ必要があるのか、どのカテゴリが「嫌だなー」と感じるのか等、自分を知るために読むのです。

読んだら申し込みまでそっと置いておきます。
「え?勉強しなくていいの?」と思うかもしれませんが、一旦間を開けるというのも大事なのです。
理由は後ほどわかります。

チェックポイント2:受験申し込み

受験申し込みをしたら、再度試験区分専用の教材を一通り読みます。
すると、教材の中で「すっと頭に入ってくる」と感じる部分と「あれ?こんなこと書いてあったっけ?」と感じる部分が出てくると思います。

この時点で「すっと頭に入ってくる」と感じた部分については、理解有無にかかわらず、もう読まなくても大丈夫です。
「あれ?こんなこと書いてあったっけ?」と思った部分について、今度は理解するつもりで読みましょう。

過去に一度目を通しているので、間を開けても覚えていて自然と理解できている部分と、苦手で記憶から消してしまった部分が発揮るりと分かれます。
最初に目を通してから一旦間を開けることで、今後集中すべき点が明確になり、より効率的に勉強を進めることができます。

並行して、通勤電車などの空き時間を利用してポケットスタディの問題を解くようにしましょう。
選択式問題は、過去問を記憶できているかどうかにかかっていますので、理解するよりとにかく問題をたくさん読んで覚えるようにします。

チェックポイント3:試験1ヶ月前

ふとカレンダーを見ると、もう試験の1ヶ月前!!
受験申し込みから勉強継続できていますか?
もしかしたら、勉強をサボってしまった人もいるかもしれませんね。
でもまだ間に合います。
ここから気合を入れ直しましょう。

1ヶ月前からは、午後Ⅰ、午後Ⅱの対策をしましょう。
午後Ⅱの論述式試験については以下の記事を参考にしてください。

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午後Ⅰ、午後Ⅱ(記述式)は、過去問を解くようにしましょう。
過去問はIPAのホームページから無料でダウンロードできます。
高度試験の午後問題は1問を解くために必要な時間が長いので、1日1問を目標に解くようにします。
平日は午後Ⅰ、休日は午後Ⅱといったペースで進めると良いでしょう。

最初の内は時間をかけてもいいので、教材を見つつ問題を解きましょう。
わからなければ解答を見ても構いませんので、問題と答案が結びつくように理解しましょう。
そうすることで、出題傾向と解き方が身についてきます。

試験区分毎の対策はこちらも参考にしてください。

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この間も午前問題対策は空き時間で実施しておいてください。

チェックポイント4:受験票が届いてから

郵便受けに受験票が届いたら、いよいよ焦りますね。
さあラストスパートです。

実際に時間を測って一通りの問題を解いてみましょう。
午後問題は時間との戦いなので、試験の時間に合わせて問題を読む時間、考える時間、記入時間を把握します。
ここで間違えた問題について、教材を使って徹底的に復習するようにしてください。

チェックポイント5:試験前日から当日

いよいよ試験ですね。
ドキドキしますが、これまでやってきたことを存分に発揮できるように最後の準備をしましょう。

試験前日

試験前日は午前対策をします。
教材の過去問を一通り解いてみます。
ここまできたら、1問数秒で解けるようになっていると思います。

一通り問題を解いたら、間違えた問題だけ再度、答えを覚えるようにしましょう。
答えの覚え方は、この問題が出たら「一番文章が長いものが正解」とか「分母にごちゃごちゃ書いてあるのが正解」とか見た目でわかる覚え方をしてください。
もはや理解する時間はないので、考えずに正解して、計算問題など時間をかければ正解にたどりつける問題に時間を確保するようにします。
どうしても覚えられなかったり、似たような勘違いをしてしまった問題は、メモに残し試験当日にキーワードだけ確認できるようにしておきます。

午後は気になるところですが、あまり時間をかけなくても良いと思います。
過去問で一番気に入っている問題を一通り眺めて当日に備えて早めに眠るようにしましょう。

受験票に写真を貼っているかは要チェックですよ。

試験当日

試験開始の3時間前には起きましょう。
そして忘れ物がないかチェックして、試験会場へ向かいます。

もう教材は見る必要はありません。
どうしても心配な人は、お守り程度に持っておいてもいいと思います。
午前問題は前日に作成した不安なキーワードメモを試験直前に確認します。
論述式試験を受験する人は、午後Ⅱの前に準備したテンプレートを確認しましょう。

試験前に改めて時間配分を確認し試験に挑みます。

まとめ

情報処理技術者高度試験は合格率20%以下の難しい試験ですが、効率的に勉強することで合格に近づくことができます。

  1. 受験申し込みまで
  2. 受験申し込み
  3. 試験1ヶ月前
  4. 受験票が届いてから
  5. 試験前日から当日

みなさんが効率的に勉強して、合格できることを願っています。