初心者でもできる【エクセル】ピボットテーブルの使い方講座

ピボットテーブルを使えば作業効率が格段に上がります。
でも使い方がよくわからない。難しそう。
そんなイメージはありませんか?
この記事ではそんな悩みを解決するためピボットテーブルの使い方を解説します。

ピボットテーブルとは

ピボットテーブルは、Microsoft Excel(エクセル)の機能の一つです。
AppleのNumbersでも同様のことができますが、ここではExcelの画像で解説します。

ピボットテーブルの意味

ピボットテーブルを英語表記にすると”pivottable”となります。
pivotとは辞書で引くと、「枢軸」とか「回転軸」とかいう言葉が出てきます。
ビジネス用語的には「方向転換」とか「路線変更」という意味で用いられることが多いようです。

うーん。枢軸テーブル?方向転換テーブル?
よくわからないですよね。

私の解釈では、ピボットテーブルとは、一つの表(テーブル)をいろんな視点で作り変えるための機能です。
なのでエクセルでのピボットテーブルは、辞書的な「枢軸」、「回転軸」という意味の方がしっくりきます。

もう少しわかりやすく説明します。

ピボットテーブルでできること

表をいろんな視点で作り変えるとはどういうことか?

例えば、プロ野球の選手名鑑などをイメージしてみてください。
そこには、選手の名前、年齢、背番号、ポジション、ドラフト年、ドラフト順位、前の所属などがずらっと並んでいます。
ほとんどの本やウェブで見る表では、ポジション別、背番号順に並んでいることが多いですね。

これを「毎年どのポジションの人をドラフトで獲得しているのか?」を調べたいとします。
すると、元の表の視点を変えて「ドラフト年、ボジション」という順番で表を作り変える必要があります。

この作り変える表を簡単に作ってくれるのがピボットテーブルです。

ピボットテーブルの使用方法

それでは実際に例を見ながら使い方を確認していきましょう。

画像のようなくだものを販売する会社の売上表があります。
(実際こんな簡単な売上表で管理している会社はないと思いますがここは例題ということで笑)

この表から「2020年になってから何をどこにどのくらい売ったかな?」ということを知りたいとします。
これをピボットテーブルを使って解決してみましょう。

完成形をイメージする

ここでは売った行を商品、列を取引先にして、それぞれの売上金額を合計した表を作りましょう。

これが完成イメージです。

完成形をイメージするのはとても大事です。
それは、ピボットテーブルは、とてもビジュアル的に操作することが可能なため、完成形をイメージできると最短距離で目的の表を作ることができるからです。

ピボットテーブル作成手順

この2020年商品別取引先別売上表を作るためにあなたなならどうするでしょうか?
まず、表の外枠を作って、元データの商品”ぶどう”でフィルタして、次に取引先”A社”でフィルタして売上金額の合計をアウトプットに転記、次に元データの取引先を”B社”でフィルタして・・・・・

こんなことをしなくてもピボットテーブルだとたった数手順でできてしまいます。

ピボットテーブルの開始

元データとなる売上表のどこかのセルにカーソルを置いて、メニューの”挿入”から”ピボットテーブル”を選択します。

元データの範囲確認

エクセルが元データの範囲を予測してくれているので、表示された元データの表の範囲が対象としたい表の範囲と一致しているかを確認します。

範囲が不足していたり間違っていたら範囲を指定しなおします。
表の一部だけを対象とすることもできます。

ピボットテーブルの作成先は、新規ワークシートでも、既存のワークシートでも構いません。
好きな方を選択してください。例では新規ワークシートを選択しています。

表レイアウト作成

右に表示される”ピボットテーブルのフィールド”を操作します。
”ピボットテーブルのフィールド”が表示されない場合、以下のどちらかの原因ですので試してみてください。

  1. ピボットテーブルにカーソルを合わせていない場合、ピボットテーブルにカーソルを合わせる
  2. それでも表示されない場合、右クリックで”フィールドリストを表示する”を選択する

ここからは簡単なのでテンポ上げていきます。
まずは行。商品でしたね。
上の”フィールド名”から”商品”を選択して、下の”行”の枠に”商品”を移動します。

左側の表に元データの”商品”が重複を省いて行タイトルとして表示されました。

次は列。”取引先”です。
上の”フィールド名”から”取引先”を選択して、下の”列”の枠に”商品”を移動します。

左側の表に元データの”取引先”が重複を省いて列タイトルとして表示されました。

これで表のレイアウトは完成です。

<補足>
行や列をもっと細分化したい場合、”フィールド名”にある情報を”行”や”列”の枠に追加することが可能です。
例えば、りんごの”種類”(フジりんごなのかつがるりんごなのかジョナゴールドなのか)を元データに持っていたとするならば、”行”枠の”商品”の下に”種類”を配置することで、商品を細分化することが可能です。

表の値を定義する

作成する表でもっとも知りたいのは商品別、取引先別の”売上金額”です。
次はこれを定義します。

先ほどの行・列と同じやり方で、上の”フィールド名”から”売上高”を選択して、下の”値”の枠に”売上高”を移動します。
すると左側の表に商品別、取引先別の”売上金額”が表示されます。

ここまでは行・列と同じです。
ただし、ここで一つ大事なポイントがあります。

”値”枠に移動した”売上金額”は、”行”枠、”列”と違って”合計/売上金額”となっています。
この”合計/”とは「売上金額をまとめて合計した値」という意味です。
今回の例ではエクセルが賢いので気を利かせて”合計/”にしてくれましたが、時にこれが自動で”個数/売上金額”などとなる場合があるので注意して確認してください。
”個数/売上金額”の場合、「何回売り上げたか?」なってしまい、求めたい「いくら売り上たか?」とは別の結果となってしまいます。

もし求めたい計算方法と異なる場合は、”値”枠内の該当する項目で右クリック、”フィールドの設定”で調整してください。

”フィールドの設定”を見ればわかるとおり、実はここの設定を変えるだけで「A社に売り上げたぶどうの平均金額は?」といったことも簡単に求めることができるので、いろいろ試してみてください。

これで表の中に値が埋まりました。

データの条件を定義する

「よし、これで完成」と安心してはいけません。
作りたいのは”2020年”の売上表でしたね?
元データをよく見ると2019年の情報も混ざっています。
これを抽出しましょう。

もうお分かりですね。
上の”フィールド名”から”日付”を選択して、下の”フィルター”の枠に”日付”を移動します。
すると、左側の表の上に、”日付(すべて)”というセルが出現します。

ここで2019年を対象から外します。

完成

これで2020年商品別取引先別売上表の完成です。

当初イメージした表の通りに作ることができました。

察しの良い方はお気づきかもしれません。
実はこの”2020年商品別取引先別売上表”という名前。
この名前を決めた時点でやりたいことが全て表現されているんです。

  • 2020年=フィルター
  • 商品別=行
  • 取引別=列
  • 売上表=値

これが最初にお伝えした完成形のイメージをつけるということです。

まとめ

ここまで例を使ってピボットテーブルの作成方法をお伝えしてきました。
手順はこれだけです。

  1. 完成形を決める
  2. レイアウトを作る
  3. 値を定義する
  4. 条件を定義する

ピボットテーブルは元データさえあれば、視点を変えた表の作り変えがとても簡単で、ビジネスにおける分析作業の効率が格段に上がります。
慣れてくればもっと複雑なデータも簡単に扱うようになります。
同じ手順で表と同時にグラフを作ることも可能です。

いろいろ試してみてください。

それではまた。